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住宅物件選びは駅近一択と言われる理由

2019年06月25日

住宅物件選びはかねてより駅近の立地条件が、必須の要素のひとつとの価値観が広く共有されてきました。とりわけ駅近であることは都市部の賃貸マンションにおいては重視されてきました。都市部のマンションなどでは電車が主要な通勤手段になるため、駅からの距離がどれほどになるのかは強く意識されている訳です。

ところで駅近、と言う言葉は部屋探しなどの物件探しの局面では当然のことのように使われていますが、正確な意義を御存知でしょうか。不動産の広告に関する公正競争規約施行規則によると、徒歩による所要時間は道路距離80mにつき1分を要するものとする、と規定されています。実際には途中に横断歩道や信号機などが設置されているので、必ずしも実態を反映しているとは限りませんが、一つの目安にはなります。例えば駅徒歩5分という場合は、400m程度の距離にあるので駅近、と評価することが出来ます。

それでは駅近物件の住宅の人気が高いのは、どこに理由あるのでしょうか。まず指摘できるのは通勤や通学に利便性が高い点を上げることが出来ます。駅までの移動距離が短いので朝食をゆっくり取ることができたり、生活の質が向上するでしょう。また経済的に栄えているエリアの駅であれば、駅ビルや周辺の商店街などの商業施設を利用することができるので、帰り道に買い物などを済ませることができます。日常生活に不便を感じることがなく、高い利便性を実感する毎日になるでしょう。また駅周辺は人の往来があり、街灯も多く設置されているので、帰り道に不安を覚えることが少ないのもメリットと評価できます。これらの点が評価されて駅近の住宅の資産価値は下がりにくいと考えられてきたのです。

しかし従来の駅近物件の資産価値が下がりにくいとの価値観は、将来的には変化する可能性があります。将来的に大きな影響を与えると見られているのが、現在実証実験が始まっている自動車の自動運転です。自動車の自動運転が実用化された社会においては、人間が運転席に乗車することなく自動車に搭載されたAIの自立判断で駐車なども可能になるでしょう。そのような社会においては、駐車場を確保する必要がなく、スマートフォンで自動運転で自動車を呼べるようになれば、交通アクセスが良くない立地条件であってもさほど不便を感じることはなくなります。つまり不動産の資産価値を決定付ける要素の駅近などの条件は重要な意義を持たなくなる可能性があるのです。